2008年06月30日

僕もエジプトで考えた-最終話

物事はなかなか思い通りに進まないものだ。

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ルクソールの西岸は広すぎるため、自転車、ロバ、タクシーなどの移動手段を使わなければとても回りきれない。ここは自由行動とし、4人各々の手段で回ることにする。

昼には50度近くになるルクソール。まだそれほど暑くない午前中の内に行動を開始する。西岸に行くにはフェリーを使う必要があるのだが、ガイドブックによるとこっち側で自転車をレンタルして向こう岸に持って行くのが良いらしい。

フェリー乗り場まで行くとちょうど自転車が並んでいる場所があった。話しかけてきたエジプト人に自転車を借りたいことを伝え早速交渉を開始する。

しかし100エジプトポンドから始まった値段は、35までは何とか下がったのだがここからがどうしても下がらない。ガイドブックで相場は7と知っていたので必死で貧乏アピールをして頑張っては見るのだが全く下がる気配が無い。

「何処に行っても同じ値段だよ。」と言うエジプト人を無視して川を渡ってからレンタル自転車屋を探すかそれとも他のレンタル屋を探すか迷ったが、結局ここで時間を費やしていては気温が上がる一方なので、渋々その値段でOKする。

「よし自転車は俺に任せればいい。とりあえず一緒に船に乗ろう。」
ということで2人で船に乗り込む。しばらくすると彼から名前を聞かれたので、「シンだ。」と答えると周りのエジプト人と顔を見合わせて笑い出すではないか。怪訝そうな顔をしていると「『シン』と言う名前はシャイという意味があるんだ。」と教えてくれた。

エジプトでは色んな人から名前を聞かれ、答えるたびに失笑されていたのだがそのせいだったのか。しかしそんな理由でみんな笑うのか?

これ以降僕は名前を聞かれるたびに「ナカムラだ。」と答えるようになる。(もちろん僕はナカムラではない)

その他にも時計は日本とスイスのものが良いと言う話や、お前はRとLの発音が悪いという話から何度も「ライオン」の発音練習をさせられたりしてるうちに船が岸に着く。

すると急に「走るぞ!」と言い、自転車を貸してくれるはずのエジプト人がダッシュで船を下りていく。必死で追いかけながら「何で走るんだ!」と聞くと「いい自転車を確保するためだ!」と言うではないか。

何かおかしい。というかこの時点で薄々事実に気づいていた。

彼はレンタル自転車屋でもなんでもなく、ただの仲介屋なのだ。案の定レンタル自転車屋にいき、取り分の交渉が始まる。だから値段も相場より高いわけなのだ。完全にやられた。

ちなみに後で聞いたところホテルの隣にレンタル自転車屋があり、そこが一番安かったらしい。まさに灯台下暗し。

無事自転車を借りた後は点々と散らばる遺跡を見て回る。40度以上の気温の中移動して回るのは思ったよりもつらい。冷たかったはずのペットボトルの水はあっという間にお湯へと変わった。それでも無いよりはましなので出来るだけ少しづつ飲みながら先へと進む。もちろん水を売っている店はあるのだが、こういうところでは値段が高くて買うのがしゃくなのだ。

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水で悲惨な目にあったのがオオトモさんで、彼はガイドブックに書いてあった景色の良い道を選んだせいで、険しい道を自転車で下りれなくなり乾きに苦しんだらしい。最終的には警察に保護され助けられたそうだが、その時に真っ先に出てきた台詞は「ありがとう」でも「助かった」でもなく「水をくれ」だったそうだからどれだけ苦しんだのかがわかる。

ちなみにその時の警察の対応は「あっちで売ってるよ。」と教えてくれただけだったそうだ。

こうして一人での遺跡回りは続いたのだが、正直ここでの思い出が一番記憶に残っている。集団で行動しているとオオニシさんが旅行慣れしているのでどうしても頼ってしまい自分で判断して行動することが少なくなってしまうのだ。これは海外旅行をグループで行く際の欠点だと思う。(いや、自分の欠点か)
ただ、グループで行くと海外での食事の楽しさが段違い。色んな料理を楽しんでわいわい楽しめるし、一人では入りにくい店にもすんなり入れてしまう。

というわけで今回の旅の目的でもあった『旅行は1人と複数どちらが楽しいかを知る』については「どちらも一方では味わえない楽しさがあるからどちらとも言えない」という結論になる。
何を目的に旅行に行くのかで、どちらを選択すれば決めればいいだけなのだ。そういう意味ではエジプトはこの4人で来て良かったなと思う。


旅はこれ以降も続き、念願のロバに乗ってピラミッドを見学したり、考古学博物館でミイラを堪能したり、ハン・ハリーリの各店で値引き交渉を行いながらみやげ物を買いまわったりしてどれも楽しかったのだがキリが無いので省略。

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というわけで長く掛かってしまったエジプト話もこれで終了。
今年も海外に行ったらもっと簡潔に書こうと思う。少なくとも1ヶ月内には書き終えよう。物事はなかなか思い通りに進まないものだが。
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2008年05月28日

僕もエジプトで考えた-その3

アブシンベルの後はアスワンを少し観光した後、ルクソールへ。

前もって目星を付けていたホテルへと向かうと、
「お前ら安くしてやる。ボスに断るから付いてこい。」
と支配人と思われる男に屋上へ連れて行かれる。

そこには一人テーブルに座り、シーシャ(水タバコ)をくゆらすボスがいた。
長いあご髭をたくわえた眼力の強い老人だ。

「朝食はパン、コーヒーと全て揃っている。プールだってある。」
ゆっくりと語りだすボス。しかし彼がプールと言ったものは小さい風呂にしか見えない。

「お前らだけで観光するのは危険だ。うちのツアーで行った方が良い。」
しかしエジプトではこういうツアーの勧誘は付き物。しっかりと断るのだが、なかなか納得しない。彼の話をさえぎって断ろうとすると「静かにしろ。」と一喝される始末。

「わかった。俺は何も押し付けない。お前らの自由だ。・・・ところで、偽造国際学生証を作らないか。」とまた次の勧誘が始まる。

結局どちらも断られたボスは少し不機嫌だった。後でホテルの料金表を見てみたが、全く安くなっていなかった。


ルクソールではもう一人強烈なおっさんと出会う。

日本食が食べれるという食堂(?)にいたのは日本語で「わたしタナカマキコ」と主張するおっさん。
「うそつけ!」と日本語で突っ込むと、「うーそーじゃないよー」と言う。日本語が達者なのはそこだけで、後は基本的に英語を話す。

ビールを注文すると、「じゃあ、金をくれ。買ってくる。」と店を出ていき、戻ってきたときにはちゃっかり自分の分まで買ってきていた。栓抜きが無いからと一本づつ歯で開け、自分も一緒のテーブルに座って飲みだす。くつろぎ過ぎだ。

もちろん商売も忘れない。ヒエログリフのペンダントを売り出し、まけようとすると「俺の儲けは全く無いから、ピタ一文まけられない。」と言う。絶対嘘だと思う。

何処からとも無く、度数の高そうな酒を取り出してはみんなに飲ませたり、シーシャを持ってきてはみんなに吸わせたりと、何とも怪しいおっさんではあったが、楽しい夜だったことは間違いない。その分お金を要求されるのでは、と思ったが、ビール代と飯代を取られただけだった。疑って悪かったよ、タナカマキコ。

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↓ルクソールの独創的なベットメイキング。

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posted by shin at 08:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ドバイ・エジプト旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月26日

僕もエジプトで考えた-その2

もうエジプトに行ってから半年が経つのだなあ・・・。光陰矢の如し。
というわけで今日明日と2夜連続でエジプトの話を終了させたい。
昔から僕は追い込まれないとやらない男だった。
夏休みの宿題をやるのも登校日の一日前。
風景画を一人深夜想像力を駆使して書き上げたのも今となっては良い思い出だ。
そうだ、俺も男だ。やるときはやる。(もっと早くやれ)

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カイロの次に向かったのはアブシンベル。
国内線の飛行機でひとっ飛び。

大抵の観光客は日帰りで帰ってしまうのでホテルの選択肢はほとんど無い。
というわけでプール付きの比較的優雅なホテルに泊まる。

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他に客は殆どいないので、プールは使い放題。
アブシンベル神殿を一通り見学した後は、綺麗な飛び込みとターンの方法をクマカワさんに教わりひたすら練習する。

ナセル湖に浮かぶ遊覧船をバックに飛び込む僕の姿はさぞかし優雅だったろう・・・、と思っていたが、密かに取られていた動画で帰国後に散々笑われることとなる。

夜はもう一度アブシンベル神殿に行き、音と光のショーを見に行く。音と光のショーという日本語訳もすごいが、その内容も神殿をめぐる歴史の映像を直接神殿に映すという大胆さ。でも意外と楽しい。

ショーが終わり、しばらくライトアップされた神殿を眺めていると外国人に写真を撮ってくれるよう頼まれる。もちろん快く引き受け「これでいい?」と相手に見せると微妙な表情で「OK」とのこと。気になったので、その後の行動を目で追ってみると案の定僕がそこから離れた隙に、オオニシさんにもう一度写真を撮ってくれるよう頼んでいた。そうか、そんなにオレの写真は酷かったか。

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うーん、明日で全部終わる気がしない。3夜連続になりそうだ。
柔軟性もまた重要だ。言い訳では決してない。
posted by shin at 02:37| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ドバイ・エジプト旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月17日

僕もエジプトで考えた-その1

ためにためたエジプト話を。

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エジプトではじめに向かったのはカイロ。交通量が多く排気ガスで空気が濁っている。信号はほとんど無くクラクションはもはやBGM。

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そんな中で道路を渡るには車が次々と通り過ぎる中を隙を見て渡るしかない。地元の人がいれば彼らと一緒に渡るのだが、そうそう都合よくいるものではない。

そのうちにコツをつかんできて、車に向かうようにして斜めに渡れば渡りやすいということを学ぶ。こうすれば車もスピードを緩めてくれやすい。決して止まってくれるわけではないので、いつも命懸けではあったが。


さてカイロといえばピラミッド。もちろん僕たちもピラミッドを見に行かない手は無い。停留場でもスピードを落とすだけで決して止まらないバスに飛び乗り、ピラミッド近くで飛び降りる。

しかし道がよく分からない。そこら辺にいた住民に指差されるままに歩いていくと、確かにピラミッドは見えてきたが柵がしてあってそれ以上先には進めない。道を間違えたか?と悩んでいると、ラクダで入らないかと薦めるおっさんがやってきた。正規の入り口で無いところから入れる道があるらしい。

そう、これは住民ぐるみの罠だったのだ。

確かにエジプトは観光地の入場料が異様に高いのでその言葉に従ったほうが安く済む。だが銃を持った警察がたむろするこの町で犯罪を犯す気は無い。ラクダに乗っているところを打ち落とされて死ぬなんて、戦国武将でもまっぴらだ。

住民が必死で逆の方向を指差す中を引き返し、ようやく辿り着いたピラミッドは圧巻だった。中は息苦しいだけで特に何も無いのだが、外観は思ったよりも迫力がある。もっと綺麗な石で出来ていたのが盗まれてボロボロになってしまったとのことだが、それでもこの迫力。

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とは言え、有名なピラミッドが3つ固まって存在するので、さすがに2つめぐらいで飽きてしまった。どれも同じような形だしなあ。

スフィンクスも見た後は近くのピザハットで食事。ドバイもエジプトも似たような食事ばかりで少し飽きてきたころだったのでとても美味しい。

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帰りに自分達の写真を撮ってくれとせがむ、スペイン人の若者3人と出会う。彼らがカメラを持っているわけではないので、僕らが撮ることに何の意味があるのかは分からないが、とりあえず撮ってあげる。

お互いの年齢や出身地を聞いたりして別れた後、しばらくしてふと振り返ると結構高さのある銅像の台座によじ登って僕達に手を振っていた。

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スペインは自由な国だなと改めて感じた。
posted by shin at 03:04| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ドバイ・エジプト旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月19日

ドバイ

ドバイは石油を生かし経済発展を遂げた都市。空港や駅の時計がロレックスというのが何ともこの都市を象徴している。

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いたるところに面白い建物があった。人工島で世界地図を作る「ザ・ワールド」など数々の計画が現在進行中なので、数年後に行けばもっと楽しめるだろう。

さて僕らのドバイでのメインイベントはデザートサファリ。
砂漠を4WDで突っ走った後に、肉を食べながらベリーダンスを見て愉快に過ごすツアーだ。これをホテルで申し込むと、いかにもアラブ人という格好のおっさんが迎えに来てくれる。僕らの他にもアラブ人の夫婦と男性を4WDに乗せ出発。

数分も経たないうちに砂漠に辿り着けるのかが不安になる。
運転がとんでもないのだ。遅い車には執拗にパッシングしながら、4車線の道路を縫うように、いや引き裂くように疾走していく。

しかし砂漠に着いてそれはまだ序の口だったことを知る。

「おや、あそこに見えるのは車だろうか?でもどうして車があんな場所を走ってるんだ?」
と思った数秒後には自分がその位置にすっ飛んでいるのだ。

笑い声の絶えない車内。みんな笑うしかないのだ。怖くて。
運転手のおっさんはサービス精神豊富で、わざと危険そうなコースを選んでくれる。明らかに無理な場所を登ろうとして登り切れずにバックで引き返したり、スピードをつけ過ぎたせいでバンパーを強かに打ちつけ、顔を青くして車を降りて様子を見にいくのはご愛嬌だ。

揺れる車内から砂漠を見ると、そこら辺にホイールやら自動車の破片が落ちていた。「ああ、やっぱりな」と思わずにはいられなかった。

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途中、砂漠の真ん中で車を止め休憩。
風紋が刻まれた砂漠に足を踏み入れるとまるで新雪を踏むような感触がする。砂漠のみが広がる場所で夕日が沈むのをじっと待つのは、それまでの激しさとの対比もあって感慨深かった。

そこからバーベキュー、ベリーダンスと移るのだが、戦時中の配給さながらの順番争いが繰り広げられたバーベキューと、太ったおばさんが踊っていたなあという印象のみのベリーダンスについては割愛しても許されるだろう。


帰りももちろんレースさながらの爆走でホテルに戻る。

それでも無事に帰ってこれたとホッとしていると、後ろから急ブレーキ音が。振り返ると、運転手のおっさんが一方通行の道を逆走しようとしてぶつかりそうになっていた。事故に遭わないほうがおかしい。

それでもめげずに逆走して帰っていったのだからアラブ人はとんでもない。
posted by shin at 02:29| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ドバイ・エジプト旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月09日

ふたたびたびへ

ようやくまとめて休みを取れる目途が立ったので、今年はどこを旅行しようかと思いを馳せる。

「やはりサッカーが見たいから、今年はプレミアリーグだろうか。ちょうどアーセナル×マンチェスターUという好カードがあるし、ロンドンに行ってみようかな。」
そう一人でワクワクしながらイギリスについての情報を見ていると、オオトモさんとオオニシさんがやって来てこう言うのだ。

「決まったから。」「・・・何がですか?」
「じゃあね。」


そして僕はドバイに向かう機中の人となった。


というわけで今回行ったのはドバイとエジプト10泊13日の旅。同行者は同じ会社の3人。
正直ドバイといわれても競馬しか思いつかないし、どこの国かも知らない(正解はアラブ首長国連邦)。エジプトだって名物料理の一つも分からない状態だ。
そんな僕の今回の旅の目的は『旅行は1人と複数どちらが楽しいかを知る』に決まった。前回の旅では一人の寂しさを痛感し、複数の人で感動を分かち合いながら行く方が旅行は楽しいのではないか、との思いが沸き起こっていたのだ。

というわけでその答えも含めて、今年もこれから旅行メモを書くわけです。

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ラクダだってピラミッドが見たい。
posted by shin at 01:12| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | ドバイ・エジプト旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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